一種の環境適応ー金持ちの傾向ー [雑学]

衣食足りて礼節を知るらしいのだが、どうもそれだけじゃないらしい。

金というものが流通して、およそ数千年が立ったところだ。
未だに遺伝レベルの変遷は際立っていないことだろう。だが、これからは分からない。

思うに、現代は人が溢れている。そして、分業が進み、他人が実際に人なのかすら
わからなくなってきている。つまり記号としての他者という認識が進んでしまったわけだ。
こうなると、そのような他者は、他者を資源とみなすことになるだろう。

そして、現代ではそのように振る舞える人間に有利な時代といえる。
一昔前ならば、そのような態度をとれば村八分になった人たちが、
むしろ、金を多く得られる状況なのだ。そしてさらにいえば、金持ち争わずという
文句も虚しく、金持ちは基本的に「嫌なヤツ」であるといえる。

これは美人が性格がいいという話と似ていることだ。
特定の立場からみれば、基本的に力ある奴らは嫌なヤツに決まっているし、
その意味では、金がある人達は嫌な奴なのだ。

そこまでいうなら、証拠をみせろって?

ならば、証拠をあげよう。
https://gigazine.net/news/20190318-money-costing-your-humanity/
https://gigazine.net/news/20200224-mercedes-bmw-own-men-assholes/

一つは金持ちになると、他者への共感や倫理観が失われてしまうという話。
もう一つは、高級車に乗っているやつは嫌な奴だという話である。

どちらも納得である。基本的に金持ちは鼻持ちならない。
その彼らが金持ち同士でつるむのは仕方あるまい。そして、庶民は金持ちとは仲良くなりようも
ないのだ。

おそらく、庶民の方が本来は生き延びやすい性質だったはずだ。
それは向協力行動を取りやすいからである。本来、人も動物であるので、協力的である
個体が長く生きられたのだ。それは今も継続中ではある。

ところが、金を儲けるというポイントにおいては別だ。金はむしろ、独断的な人や
我の強い人間のところに集まる。利益を確保しようという意思が強くなければ金は
集まらないからだ。そういう人間は本来的には、嫌がられる人々である。しかし、
近代のような金によって社会が駆動される世界では、むしろ生存率を上げるに違いない。

つまり、嫌な奴、嫌なやつになれる才能をもつ個体が、金持ちになる可能性がたかく、
そのような個体の人間たちが子孫を増やす傾向があるとしたら、人間社会はますます
非共感的な人間たちで溢れていくだろう。

今は、もともとのプロトタイプの人間が多くいるのだから、そこから搾取すればいい。
だが、ときが進むほどに、搾取する人間たちは減ってくる。また天変地異が起これば、
協力的個体が有利になる。金持ちは平時にしか活躍できない人間たちだからだ。

およそ、人間社会が金を基盤に、金への適応力によって進化するならば、そして、
その適応をますます先鋭化させていくならば、いざ、環境が変わった時に自滅するのも
また過剰適応した人々であろう。その時こそ、優しい人間たちが生き延びるのだ。

現代は仕方がない時代である。平和が続けば金儲けに集中できる個体が有利である。
しかし、本来的な自然への対処や共同体では、他者と協力できる人間が有利であった。
今後、社会がAI社会へと変貌するなかで、人々に要求されるのが、かつてのような良心的
倫理的な振る舞いなのか、それともがめつい競争を勝ち抜く、サイコパスのような心境なのか。

これから数百年、数千年にわたる攻防によって定まっていくのだろう。

ともあれ何が言いたいのか。金持ちはもっと謙虚になれということだ。
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