汚染水の海洋投棄について [思考・志向・試行]

今日は、23日。明日何もなければ、福島第一原発沖から汚染水が海洋投棄される。

ここではあえて「ALPS処理水」でもなければ「処理水」でもなく汚染水と明記する。
理由はALPS処理された水には当然ながら、他の核種も含んでいる事からだ。


まず言いたいのは、政府や東電の主張のおかしさである。
中国の当局にズバッと指摘されているが、
「安全なら投棄する必要はなく、危険ならなお投棄してはならない。」である。

ここが一番の肝であり、これ以外は些末なことである。

トリチウム水が安全だという声が聞こえてくる。
それも、政府や東電だけでなく、一般人の中にもこれを強く信じている人がいる。

じゃあ、そんなに安全ならなぜわざわざ1キロ沿岸に捨てるのだろう?
安全になったのなら、再度炉心を冷やす事に使えば良いではないか。
そうすれば、一定量の「処理水」をずっと使い続ける仕組みなり、
備蓄タンクの増設などせずとも問題は解決する。

これが分からない人たちがあまりに多すぎる。

よって、政府も東電もALPS処理水が決して安全なものだとは思っていないという事だ。
それをわざわざ「処理水」と呼ばせ、そのために広報までも使うという。
これは本当に大きな欺瞞である。実に精神的な異常な思考である。狂っていると断言しても良い。
原発は安全だという言説がいかにウソであったかを思い出したほうが良い。

100歩譲って、処理水を危険とまで言わずとも「安全ではない水」としよう。
この安全ではない水を政府や東電は、薄めて捨てるという。

これもまた大きな欺瞞である。ALPS処理水で残るのはトリチウムだけという。
そんなのはウソである。実際にセシウムやヨウ素はそれなりに残るのだ。他の核種も
ゼロではない。

トリチウムの半減期は13年ほど。すると放射性のトリチウムだけであれば、50年もすれば
かなり危険性はなくなる。これについては依存はない。

一方で、残りの核種はどうか。セシウム137では30年の半減期、ヨウ素などは、
実に1570万年という長期間である。こういった物質はごくわずかでもずっと影響が
残るという意味では少量であっても無害とはいえない。

つまり、水に薄めても数十年で捨てたとしても、海に捨て続ければずっと影響が残る
という事なのだ。

一般の人は、調味料かなにかと勘違いしているのだろう。
放射性物質の大半は、薄めても散らばるだけにすぎないのである。
除染という言葉は、単に放射性物質を移動させているだけであって、
放射能をなくせるわけではないという事である。

調味料であれば、細菌が分解したりして、地球において還元されていく。
だが、放射線物質は放射線をずっと出し続けるという事なのだ。
それを海にだせばどうなるか。

生物濃縮とはこういう事態において起こる。
メチル水銀が水俣病を引き起こしたのと同様に、
放射性物質を含む汚染水が、どういう影響かを及ぼす可能性だってあるのだ。

つまり薄めて出すという事に意味は、せいぜいちょっとずつ捨てるということであって、
害がなくなるという意味ではないのだ。


当然ながら、国や東電は理解している。ALPS処理水がいうほど安全ではない事を。
それを印象づけるためにトリチウムだけに話をフォーカスしているのだから。

海洋投棄を実施することで、以後、他の原発などにおいても、投棄しやすくする
などの効果や、実質的に保管する水を減らせばコストを減らせるというだけの事で、
政府や東電は、投棄を決めたのである。だがこれが手立てとして最良ではないのだ。

実際にはタンクの大型化や、モルタルなどによって固形化して保存するとか、
水蒸気化して水を飛ばすとか、他の手段は存在する。

けれども、コストがかからないという言い訳によって国や東電は海洋投棄を行うのである。


2018年にALPS処理をした水から、取り切れなかった核種が見つかっている。
2023年の現在において、この技術がどう変わったのだろう。きちんと取り除き続けられる
ようには到底思われない。

結局、ALPS処理したという建前によって、中身如何に関わらず、海洋投棄を行う。
これがこれから日本がやろうとしている実態である。

私にはこれが生物濃縮などの実害を生むのではないかと推定する。
もちろん、国はそれを否定し続けるであろう。投棄を始めたら、そのようなことが
あってはならないという禁忌になり、実際にALPS処理に問題が起こっても、
外には一切、知らせることはなかろう。隠蔽の極みになるに違いない。

害の薄いトリチウムですら、同じ箇所に50年もの間捨て続ければ、なにか異変がおこっても
不思議ではないのだ。そういう可能性があるというのが科学的視点であって、
安全だというために科学があるわけではない。



さて、明日24日にこれが実行されたとしよう。
害悪はすぐには起こらない。だが、すぐに次のようなことが起こる。
それは、中国や韓国などからの魚類の輸入禁止である。もしくは検査の厳格化である。

このような安全に対する態度の違いについては、国同士できちんと話し合うべきなのだ。
だが、岸田政権はそれを全く無視している。どう考えても害を出そうというのは日本なのにだ。

この諸国の態度は、いずれ東南アジアを含む海洋諸国に広がるだろう。
日本とは海を汚す国なのだというイメージをもつようになるかもしれない。

これは決して小さい話ではないのだ。福島の湾が小さく放射能汚染されるという
話では収まらないのである。(もちろん、それだけでも十分に問題なのだが。)


岸田内閣は、IAEAを呼び、アメリカにいって、海洋投棄の”許可”を得たつもりなのだ。
要するにアメリカが許容するといえば、それで良いと思っている。

だが、これからは中国やインドの時代である。地政学的に日本はアジア諸国と友好な
関係を保つべきなのだ。それに対して、汚染物の海洋投棄は時代にそぐわない方策となろう。

これによる漁業の損害や関連諸国の日本への態度の硬直化などは、国や東電が考える以上の
損を招く結果になるだろう。

このような事を、ろくに考えもせずによく決断できるものだなと思う。
私の理解を超えている。


アベノミクスについて批判し続けた。そして現にその影響がインフレという形で現れた。
とりわけガソリンに目が奪われるがあらゆる輸入品目において値上げがあり、その価格転嫁が
行われている。それはアホノミクスという政策がためだ。

これと同じく、岸田による汚染水の海洋投棄を私は批判する。それは日本のためにならない
という事から来る。日本のためを考えるなら、コストをかけてでも海洋投棄以外の道を
選ぶべきなのだ。

言いたいことはあらかた言った。
今後、どうなるのか、その結末を人生において確かめることにしよう。


余談:

  上記にいろいろ書いてきたが、一番書きたかったのはこれかもしれない。
  このひと月くらい、オカルトに興味があってYoutubeでオカルトをよく観ていた。
  もちろん、エンタメとしてだ。別段、何かを信じているわけでもない。
  ムーのかつての特集を楽しんだようにだ。

  その中で、気になっていたのは「未来人の話」。本当に未来人がいるのかどうかは
  不明だし、私は信じていないけれども、彼らのうちに数人が異口同音にこういっていた。
  「未来では魚は口に出来ない」と。

  一体海になにがあったのだろう?と思っていたが、それがここに来て急に信憑性が高まった。
  それがこの汚染水の海洋投棄である。

  もしかすると、この海洋投棄の影響で海産物の害が発生してしまったのではないか?
  あながち、ありえない話でもない。

  もちろん、ただの偶然かもしれない。けれども未来人と称する人々が魚を口にしてない
  という話が、いやが上にも気になってしまう。

  一応のメモとして、この内容をここに残そうと思ったのである。

  未来人の話を聞きたい人は、https://www.youtube.com/watch?v=f-ReTN6iSKQ&ab_channel=2ch%E3%83%88%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%B3
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