現状考察 [雑学]

多くの人たちが実感しているように現代は生きにくい。時代の違いによる生きやすさは、
比較しようがないが、少なくとも現代の中高年が青年だった頃に比べて、現代の若者は
生きにくさを感じているだろう。それは経済問題が重くのしかかっているからだ。

ここ20年はデフレ期に入った。デフレとは経済学的にいえば物価の下落を意味するが、
実際的な事をいえば、物が売れずに安売りするということである。つまり消費の力が
落ちる事を意味する。経済学ではここで思考停止になるのだが、もう一歩言えば、
「人々の稼ぎが平均的に減る」というのがデフレである。

つまり解決策としては、人々の給料をどうやって増やすか?が問となるはずだ。
だが、現実はそうなっていない。

大抵の経済学者はアホウなので、デフレを供給サイドの問題として解決しようとする。
それが現在行われているアベノミクスだ。アベノミクスなど名前があること自体が広告
代理店のしわざだろう。何、単なる金ばらまき政策の事である。金融における低金利と
準備金の割合低下、日銀による国債回収、これらは結局のところ、銀行に貸すための金を
プールするという事を意味する。というか、それしかしてないのがアホノミクスである。

加えて、年金を株に突っ込んだ。不動産投資もした。金融関連の人々はさぞ儲けただろう。
貸す側の金が余ったために、多くの金は国債購入に逆流し、残った分は金融財源となった。

さらには、マイナンバーなどの導入によって公共事業を起こし、税金をばら撒く。
つまり行政による「仕事の作成」である。

これらによって何が起こったか。
1.円安
2.株高
3.雇用の拡大(非正規)

まさに、金ばら撒き政策がそのまま機能したのである。
金が市中に増えれば、金の価値は相対的に下がる。つまり円安になる。
だぶついた金は有効な投資先がないために、手っ取り早く儲かる株式に流れる。
つまり、株高だ。そして、政府が作り出した仕事には当然人手がいる。よって、
雇用が増える。だが、ばらまきは永続的ではないために、非正規雇用しか生まない。

円安になったおかげで、海外で事業を展開している企業は相対的な儲けが増加する。
同じような売り上げでも、円に直せば増えるからだ。つまり見かけ上GDPは増える。
それを受けて、株式投資も増える。円安になれば、海外からの投資が増える。
一方で、増えた資金は実態経済には向かない。なにしろ、世間はデフレである。
買う人がいなければ、生産を増やしても始まらないではないか。

よって、ばらまき政策で懐を肥やしたのは、金持ちの投資家である。
それはまさに、安倍政権の思惑だったのだろう。始めから国民に貢献する気など
これっぽっちもないのだ。

アベノミクスは成功したとのたまったのは、まさにその人であるが、
それはある意味で正しい。何しろ、目算通りに、円安、株高、非正規雇用を生み出したのだ。
もちろん、それが国民のためにはならないのは明白である。

つまり、何が言いたいか。アベノミクスなどやった所で、国民の生活は良くならないという
事である。借金をして仕事を作り出したり、借金して株価を釣りあげて、これでいいだろと
ほざく政策者たち。愚昧にもほどがあろう。

デフレを解消するために必要なのは、人々の給料が安定化し、わずかでも給料が増加する事
である。その目的のためには、アベノミクスは全くの無用の長物と言える。むしろ百害あって
一利なし。

未だに安倍政権を支持する愚かな国民は、この3つの結果で儲けた非人道的な輩たちである。
貧しい人々から増税して奪った金で、私腹を肥やしたことをゆめゆめ忘れるなと言いたい。
そのような遺恨はかならず復讐にあうのが世間の相場である。

留意を申し上げると、国民と一口でいったが当然ながら様々なグループがある。
アベノミクスで当然ながら恩恵をうける人々がいる。金融業の方々や不動産の方々、
そして公共事業を行うゼネコンやシステム構築を受注する大企業である。
全体から見れば、これらの人々はわずかである。つまり一部の国民をもって、
全体を述べるという誰でもわかる失態を現政権は是としているわけだ。

さて、もう賢明な諸君は理解した事だろう。
慎ましやかに生活をしたい人々にとっての敵は安倍政権であると。
少なくとも、彼らは我々にとっては何もしてくれていない。むしろ、増税をして我々を
苦しめている張本人たちである。それを現役世代はしかと見つめないといけないのだ。
これを押しとどめるには選挙に行かなければならない。それこそが我々の生活のためとなる。

つまり「給料をあげるために選挙に行こう」なのである。
所得税の減税と、法人税の増税を行えば良い。消費税も下げればよい。

なぜそれが出来ないのか。物理的な考察をするならば、老人が多すぎるということだ。
不道徳であることを前提として、下記発言をする事を了承頂きたい。

昨今の医療、衛生状況、食べ物の進歩によって人は長く生きるようになった。
生物学的な視点からいえば、生殖行動を終えた個体の役割はあまり多くない。むしろ、
資源を無駄に消費するやっかいものでもある。

もしすべての65以上の人々がいなくなり、彼らの資産が国民に平等に分配されたとしたら、
我々は今すぐにでも、明るい未来を描けるだろう。彼らが使い道もなくため込んだ金は
死に銭として預金に退蔵されている。相続税回避のために、資産を子供や孫に与える老人も
多い。特に孫などの教育に投資をする。だが、こうした事をしても、全体から見れば、
金の流動が妨げられている。

この事が、若者の生活を脅かしている。金が回らずに退蔵されているため、企業の生産は
頭打ちとなる。頭打ちとなった企業は雇用を止める。なぜなら儲からないからだ。すると、
若者は金を得る機会を失う。一番消費活動が高いはずの若者に金が回らないために、社会
全体が沈滞化する。日本は若者に冷たい。政府は若者を公共事業などで生まれた非正規職に
就かせる。賃金が少ないうえに、将来的な見通しがない若者は、金を退蔵する。いやほとんど
使いきってなんとか生活をしている。もしくは、親元に「寄生」する事になる。

一方で、金を生み出すわけでもない老人たちには、年金が配られる。それがかつての約束
だったからだ。だが時代が変わった。老人たちに配られる年金は当然時代にあわせて
減らすしかない。それを試みると、選挙に律儀に通う老人たちから票が入らない政治家は、
手をつけようとしない。つまり問題が棚上げされるのだ。

こうして、今日本では、デフレも脱却できず、政府にはだまされ、若者は将来的な見通しが
立たない状況に追い込まれていく。沈滞ムードを払拭できるはずもない。

だが私は楽観している。なぜか?
いずれ人は死ぬからである。団塊世代がこれから70代に入る。
どんどん亡くなればよいのである。そのたびに、若者にのしかかる負担が一つずつ消える。
不遜である。そんなことは理解している。だが、それが生物界の当たり前のルールである。

もっと言えば、若者たちが老人の世話をするという事自体が生物界では異常である。
老人たちは自分たちに有利なルールを若者に押し付けているという事を自覚する必要がある。
社会全体がお年寄りのためにあるわけではない。厳しい事を敢えて言わせてもらう。

では、若者を想うのであれば、老人たちは何をしなければならないか。
現行制度では、健康で短命に生きて亡くなる。というのがベストとなる。
ほとんど、ここまで来ると悲劇といより喜劇であろう。

かつて金の卵と呼ばれた人たちは、いまや社会のお荷物である。
いや、この現代の繁栄を支えた企業戦士だったはずだ。その彼らになんて不遜なお願いを
しなければならないのかと困惑する。だが、これが生物としての人の在り様である。
多すぎる人口は抑制されるのである。それが生物の掟であり、人もまた例外ではない。

長生きもいいかもしれない。だがその席に座るべき孫たちが、待ちくたびれて
生れてこなくなっている事、これもまた事実なのだ。

誰も言わない事をここで述べてみた。
人とはなかなか難しいものである。


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コメント 3

NO NAME

痛快です。
ただ、お荷物である老人たちもひっくるめて社会をどうやってうまく機能させるか、それが知恵だとも思います。
by NO NAME (2016-03-05 20:59) 

D-Blue

コメント有難うございます。

かつての老人たちは知恵者として生きる側面があったと思います。
天災や人災、そういったものをどうやって凌いだかという事や
その村の歴史を語る人として。少なからず、共同体の意思決定に
一役買っていたのではないかと。

リタイヤした老人たちには、地域社会の有り様や問題点をもっと
積極的に考えてもらえばいいのではないかと思いますね。
現代の地方政治は、金をいかにして中央から引っ張ってくるかと
いう手腕だけが問題になってしまって、本来のその地域が何を
すれば人々がもっと快適に生活できるかという視点がごっそり
抜け落ちてるのが最大の難点ですから。そこをリタイヤ老人が
埋めてくれるといいのではないかと。

老人たちが福祉を受けるんじゃなくて、老人たちが福祉を実行する
そういう社会になる方が、互いにベターだと思われますがどうですか?
by D-Blue (2016-03-07 13:18) 

NO NAME

発展的な思考ですね。
なんだか、少し安心しました。

これまでの老人たちが、いかに社会の恩恵に甘えているかを考えてしまいます。
私の親も含め、老人には様々な知恵や困難を乗り切った貴重な経験があります。しかし、彼らはそれを表に出すことはなく謙虚に生きています。それを社会に有益なものとして活用すべきですね。
いや、他人事ではない。
いつかは自分も老人になります。
そのときはお荷物にならないようにしたいと思います。
by NO NAME (2016-03-12 21:34) 

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