物事の順番ー大切なものからー

すべては「単純に！」でうまくいく
ローター・J・ザイヴァート, ヴェルナー・ティキ・キュステンマッハー, 小川 捷子

というハウツー本を読んだ。

ありがちなハウツー本ではなく、人の経験や実験的知見を踏まえている点で
なかなか面白い。その中でも一番の核となるのは、一つの思想であり、
「なるべくいろいろなものを減らしてゆく」という考え方だ。

我々は生まれた時は、何も持たずに生まれてくる。
もちろん、両親が持っているものがあるという意味では、
その限りではないが、本質的にはそういうことだ。

そして、生きる目的も何も知らぬままに大きくなり、
ある日物心がつくわけである。
その後は、様々なものをどんどんと積み重ねて生きてゆくことになる。

この本では、どんどんと複雑になってゆく人生をシンプルにすることで
人は楽に生きられると説く。その本質は減らすことであり、今の言葉でいえば
断捨離であろうか。

本の中核になるのは、物事の優先順位だ。
人生に必要な様々な概念があるが、この本では以下の順番に物事を設定する。

自分＞パートナー＞人間関係＞健康＞時間＞お金＞物

左に行くほど人生においてウェイトが高いという。
多くの人は右端のお金や物に目が行きがちだけども、
それはあくまで手段であって、目的ではないということだ。

もし、あなたが人生で迷っていることがあれば上記の価値順序を優先
することをお勧めする。

どんなにお金や物があっても、時間がなければ使いようがない。
どんなに時間があっても健康でなければ、有意義な時は過ごせない。

一方で不健康であっても、見舞いに来てくれる友人がいるかどうかは、
大切な問題だ。誰かがあなたを気遣ってくれるだろうか？

大切なパートナーがいれば、それはとても充実したものとなろう。
そして何より、自分がどうしたいのか、何をしたいのか、自己実現が
大切である。

重要なのは、何かものを持つことやお金を持つことではなく、
それを使って、どんなパートナーを見つけるか、人間関係を築くかである。
金では手に入らないものこそが、人生の重要な事なのだ。